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株主総会ってどんな感じ?赤字の小型株総会で社長に直接質問してきた【体験談】

株式投資
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2026年、投資歴3年目の私が初めて株主総会へ行ったときの話をしようと思います。

ネットでは有名企業の華やかな総会の様子がよく語られますが、私が行ったのは時価総額100億円未満、かつ赤字継続中という、いわゆる「崖っぷち企業」の総会です。実際どんな雰囲気だったのか、どんな質問を投げたのか。実体験をありのままに書いていきます。

投資額500万円。期待が「疑念」に変わった瞬間

まず、なぜ私がわざわざ総会まで足を運んだのか。その理由からお話しします。

投資したのは約2年前。その企業は上場以来ずっと赤字でしたが、事業内容はAI時代にマッチした魅力的なものでした。「これは将来大化けするぞ!」と期待に胸を膨らませ、私は約500万円という、自分にとってはかなりの大金を投じました。

当時は、資料の隅々まで読み込むというよりは、勢いと期待感だけで買っていた部分も大きかったと思います。一時期は株価が2倍以上になりましたが、「こんなもんじゃない、もっと上がる」と確信して利確せずに保有を続けました。

しかし、現実は非情です。 出てくる決算はことごとく赤字。来期予想で黒字を出しても最終的には大赤字。株価はあっという間に買値を割り込み、いわゆる「全戻し」を食らいました。その間にメタプラネットやフジクラ、キオクシアといった話題株が何十倍にもなるのを横目に、私はただ時間を無駄にしている感覚に陥っていました。

それでも諦めきれず、「次こそは……」と過去の決算書をすべて調べ直し、自分なりに分析を重ねました。「80%以上の確率で来期は黒字化し、ここから逆転劇が始まる!」と確信して迎えた本決算。しかし、画面に映し出されたのは、またしても数百万円の赤字予想でした。

「何かがおかしい。これだけの材料があって、なぜ黒字にできないんだ?」

そこでふと、ある疑問が浮かびました。 「経営陣の報酬を少し削れば、余裕で黒字になるんじゃないか?」

気になって、数日後に出た有価証券報告書をチェックしてみると、驚愕の事実が判明しました。業績は右肩下がりなのに、社内取締役の報酬は一人あたり平均600万円から2,600万円へと、とんでもないレベルで増額されていたのです。

社員は赤字のプレッシャーの中で働き、株主は夢を信じてリスクを取っている。なのに、一番大事な経営陣が同じ方向を向いておらず、自分たちの生活だけを優先して守っている……。その事実に、呆れと怒りが込み上げてきました。

「もしこの赤字予想が、高額な役員報酬を維持することを前提にしているのなら、今すぐ売るしかない」 そう決意し、私は人生で初めての株主総会へ行くことを決めました。

逃げ場のない「4分の質問文」を削ぎ落とす

行くからには、しっかり質問をぶつけなければなりません。 最初はAIの力も借りつつ、過去の業績と報酬の乖離を厳しく指摘する「逃げ場のない質問文」を作りました。しかし、書き上げてみると読み上げるのに4分もかかる長文に。これではただの演説になってしまいます。

最終的に用意したのがこちらの質問です。

「御社の社内取締役の報酬総額は、上場以来の業績推移とは対照的に、5,000万円から8,000万円へと増額されていると認識しております。今期の赤字予想は、この報酬水準を維持することを前提とした数字でしょうか」 ※特定を避けるため、数字等は一部変えています。

これを引っ提げ、いざ会場へ向かいました。

総会の雰囲気:私服の一般投資家、VIP待遇にビビる

場所は東京にある、結婚式で使われるような華やかな宴会場。 朝6時に起き、電車で2時間かけて向かいました。服装は「自由」とのことだったので、私はあえての私服です。

受付に行くと、スーツ姿のスタッフが「おはようございます。お待ちしておりました」と丁寧に出迎えてくれました。ただの一般投資家なのに、なんだかVIP扱いをされているようで少しビビります(笑)。

受付で議決権行使書を渡すと、番号札を渡されました。 会場内は録画・録音されており、発言時にこの番号と名前を言うことで、誰が質問したかを記録しやすくするためだそうです。

会場は50席ほど。 「私一人だったらどうしよう」と思っていましたが、意外にも先客が。私を含めて合計6人ほどの株主が集まっていました。年齢層は20代〜70代と幅広く、女性の方もいらっしゃいました。

私は社長の顔がよく見えるよう、最前列の真ん中に陣取りました。

いよいよ本番。社長の動揺と、ひきつるCFOの顔

10時、役員の方々が入場し、一礼。 社長が議長となり、巨大プロジェクターを使って今期の振り返りや議案の説明が始まります。40分ほどで一通り終わり、ついに質疑応答タイムです。

まず、別の方が勢いよく手を挙げました。事業の質問かと思いきや、4分ほど政治的・国際的な持論を展開されていて驚きました。そんな意見にも淡々と、かつ丁寧に応じる社長を見て「上場企業の社長ってすごいな」と変な感心をしたり。

「次の方どうぞ」という声がかかった瞬間、今度は私が勢いよく手を挙げました。 社長も少し驚いた様子で「では、前の方」と指名。

マイクへ向かう途中、スタッフの方が数名、私にお辞儀をしてくれました。 「〇番の〇〇です。いつも経営ありがとうございます」 挨拶を添えて、用意していた質問をぶつけました。

先ほどまで淡々と話していた社長の顔色が変わりました。 予想外の質問だったのか、自分では答えず、隣で一言も発していなかったCFOにおどおどしながらマイクを振ります。

しかし、有価証券報告書には「役員報酬は社長に一任されている」と書かれていたはず。社長が答えられないのは、この時点で組織としてどうなんだ……と感じてしまいました。

結局、CFOが引きつった顔でこう答えました。 「業績と役員報酬が乖離して増額されている……というのは、事実です。今期の赤字予想ですが、今の報酬水準を維持することを前提としております」

……はっきり認めちゃったよ。 そこからは正直、ショックすぎてあまり記憶がありません。 取締役3人で8,000万円(※例えの数字です)。今期は1人抜けるので、社長とCFOの2人でその額を分け合う構図になります。報酬を半分にするだけで4,000万円規模の黒字が出せたはずなのに、自分たちの生活のために赤字予想を出す。

「この人たちは、株主を裏切っている」 そう確信した瞬間、思考が停止してしまいました。

総会を終えて:拍手できなかった私

質問がすべて終わり、最後は議案に対する決議です。会場の株主が拍手をすることで賛成を示すのですが、私はショックで手が動きませんでした。

面白かったのが、社長が「会場にいる株主の持ち株数20,000株すべてが賛成となりました」と説明したことです。私が持っていたのは15,000株。もし私が反対に回っていたら、会場の空気は地獄と化していたでしょう。

まあ、経営陣が過半数の株を握っているため、個人投資家がどう動こうと結果は変わらないのですが……。何事もなかったかのように総会は終わり、経営陣はさっさと裏へ消えていきました。

これから株主総会へ行く方へのアドバイス

初めて参加してみてわかった、実践的なアドバイスをまとめておきます。

  1. 質問文は紙に書いていくこと 会場内はスマホの電源を切らされる(または録音禁止)ため、スマホを見ながら質問はできません。

  2. 座る位置は「3列目」くらいがベスト 最前列すぎると後ろのマイクまでが遠く、移動に時間がかかります。逆に後ろすぎると社長から指名されにくいという話もあるので、3列目あたりが狙い目です。


今回、実際に足を運んで社長やCFOの「生の声」と「表情」を見たことで、数字だけでは見えない企業のリアルを知ることができました。投資判断としては悲しい結末になりそうですが、これも一つの勉強です。

最後になりますが、「株主総会へ行ってみたいけど、何を聞けばいいのか、経営陣のどこをチェックすればいいのか分からない」という方も多いはず。

実は今回、私がたまたま総会へ行く前に読んでおいて本当に助かった本があるので、紹介させてください。

タイトルは、『株で儲けたきゃ「社長」を見ろ! いちばん大切なのに誰も教えてくれない投資の王道』。 YouTubeなどでも有名なアクティビスト投資家、田端信太郎さんの書籍です。


「社長は聖人君子ではない」という衝撃の事実

まず、「はじめに」の一節でガツンとやられました。

”本題に進む前に一つ忠告しておきたい。これまで多くの社長に出会った経験からも断言しておくが、聖人君主のような経営者など見たことがない。とりわけ創業オーナー社長は、常識には収まりきらない別次元の生き物だ。現代の戦国大名、三国志やキングダムの武将のような人種だと思うべきである。”

初めての株主総会に向けて「ボロクソに詰めてやる!」と意気込んでいた私ですが、この一節を読んでゾクッとしました。「相手は常識の通じない、戦国武将のような人種なんだ」という前提を知ったことで、変に期待しすぎず、冷静になれた気がします。

「モテ」や「ハゲ」まで? 独特すぎる視点

目次を見ているだけでも、投資家なら「おっ?」と思う項目が並んでいます。

  • 「株価パフォーマンスが高い社長のタイプ」(ここは真っ先に読みたい!)

  • 「モテを経験してきたか」

  • 「ハゲてる社長は、実は得をしている」

「えっ、投資に関係あるの?」と思うようなプロフィールから社長の価値観を探る視点は、田端さんならではで非常に面白いです。

正直、一般投資家の私からすると「社長が社員をさん付けで呼んでいるか」や「社長を呼び捨てにできる社外取締役がいるか」といったチェック項目は、調べるのが少し難しいと感じる部分もありました。 ただ、田端さんが名だたる企業を渡り歩き、間近でトップ層を見てきたからこそ書ける「実体験ベースの小ネタ」は、読み物としても純粋に楽しめます。

「スーパーサイヤ人」と「地球人」の圧倒的な差

ドラゴンボール好きとして一番しっくりきたのが、「創業オーナー社長=スーパーサイヤ人」「サラリーマン=地球人」という例えです。ちなみに田端さん自身は、地球人最強の「クリリン」だと自称されています。

サラリーマンと創業社長では、価値観も考え方も全く違います。私のような「地球人」が、ビジネスに取り憑かれた「スーパーサイヤ人」たちの思考を理解するのは容易ではありません。 ホリエモンや前澤さんといった規格外のリーダーたちを間近で見てきた田端さん(最強のクリリン)だからこそ書ける、「異種族の生態解剖」のような一冊です。

総会で役に立った「側近との関係性」

今回の総会で特に活きたのは、「側近(ナンバー2)との接し方を観察することで、社長の本性や潜在リスクを探る」という視点です。

私が質問した際、社長が動揺してCFO(側近)に丸投げしたあの空気感。そして引きつった顔で回答するCFO……。 「あぁ、この二人の間には、健全なガバナンスも信頼関係もないんだな」と直感できたのは、本書で「社長がどういう生き物なのか」という予備知識を入れていたおかげです。


最後に

株主総会へ行く前に、本書を参考に社長の経歴やインタビュー記事を漁ってみてください。

「この社長なら、こういう言い訳をしそうだな」とある程度性格を予想してから挑むと、会場での回答や振る舞いが、より深く、生々しく見えてくるはずです。

投資のスキルアップとしてはもちろん、「得体の知れない経営陣」というモンスターに立ち向かうための護身術として、全てが役立つテクニックではありませんが、一読しておくことをおすすめします!

今回の体験を通じて、私自身もさらに「人」を見る目を養いたいと痛感しました。皆さんの投資ライフが、より納得感のあるものになりますように。以上

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