本記事では、個人投資家であるかぶカブキさんが出した『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(2023/8/23発売)の書評・レビューをしていきます。
はじめに、私は2023年から株式投資を始めた初心者であり、本書を読むまでかぶカブキさんのことは知りませんでした。
かぶカブキさんとは
- 投資歴15年
- 元証券会社の営業、ディーラーの経験あり
- 2倍以上になる小型株を見つけるのが得意
- 97万を1年11ヶ月で1,646万にした(2023年5月時点では4,500万円以上になっている)
本書では、かぶカブキさんが97万をわずか2年で17.5倍にした手法を教えてくれるとのこと。
そして、タイトルに「10倍株」「50倍」と胡散臭い文字が含まれているのにも関わらず、Amazonレビューでやたらと持ち上げられていたため、サクラを疑いながらの購入だったことを先に伝えておきます。
感想
結果から言うと、かぶカブキさんが実際に行っている投資手法(ビッグチェンジ銘柄の見つけ方)を惜しみなく教えてくれるうえに、著者が初心者だった頃の心境や失敗談に共感しかなく、お値段以上の価値を感じられる面白い本でした。(サクラを疑ってしまいすみませんでした)
手法を真似た結果(※銘柄は推奨するモノではありません)
実際に本書を参考にして、ヌーラボとアルメディオを買ってみました。2か月ほど持った成績はこのようになりました↓(12/29 時点)
そして、さらに二ヶ月↓(2024/02/26)
アルメディオは途中で自分のシナリオがおかしい事に気づき、プラスになったところで売ってしまいましたが、ヌーラボは2倍まで持つことができました。(人生初めての2倍株なので嬉しいです!)ここからまたシナリオを立て直して、持ち続けるか、売却するかを考えたいと思います。
上記のように、本書の内容は再現性があると思えましたが、この投資手法に慣れていないため、実際に自分で株を購入するのは勇気がいることでした。(自分は上がると思っていても、不安定な中小型銘柄を選ぶわけなので、株価の乱高下に振り回されることになるでしょう←このような心境に対するアドバイスも書かれているので、何度も読み返しました)
そして、何冊か投資本は読んできましたが、大げさではなく今まで一番読みやすかったことも伝えておきたいです。横書きで、重要な箇所には赤マーカーと簡単な文章なので、スラスラ読めました。縦書きの本は個人的に集中力が必要なのでありがたい…
また、現在進行形で資産を増やしてる方だからこそ、初心者の気持ち、知りたい事がちゃんと分かっていて寄り添ってくれている印象です。▶︎これ系の本出す人は大抵の場合、すでにFIRE 出来るくらいの資産を築いている億り人が多いのですが、かぶカブキさんは現在進行形で4500万の資産なので、まだギリギリ親近感を抱けました。
この本で学べること・身につくこと
本書で私が身についたことは下記のとおりです。
- 投資で必ず負けるNG行為(投資手法)
- 投資で勝つ人・負ける人の思考パターンの違い
- 10倍以上になる株の条件
- 売り時・損切りの考え方
- 決算書の簡単な見方・見るべき箇所
- 目標株価の決め方
- 情報収集のやり方
- 株価が大きく動くニュース
- 投資力の特訓方法
- 配当を貰いながら大化け株を掴む方法
- フォローすべきX(旧Twitter)アカウント
- IRの問い合わせ方、質問の仕方などのコツ
序章では、著者の悲惨すぎる初心者時代の話から始まり、営業先のお客さん(投資家)と出会って気づいた『勝つ人と負ける人の違い』…など、全て著者の体験をベースに語られているので、イメージがしやすく、まさに自分がかぶカブキさんの人生を追体験しているようでした。ストーリーが面白すぎて一気読みしちゃいました。
勝ってる人、負けてる人の思考パターンはそれぞれ10個 リスト化されているので印刷してモニターに張り付けておくだけで、冷静な思考ができるようになって上手くなれそうです。
そして、あの堅苦しい文章と数字の羅列でお馴染みの「決算書」ですが、なんとな〜くは読めても頭に全然入って来ないんですよね。本書では、私のような人でも分かるように、どこの項目が重要なのか、目安となる数値(これ以上なら数倍になる可能性あり)が書かれており、これなら読めそう!と思えました。
他にも、株価が伸びそうな企業の選び方をはじめ、買いのタイミングについても書かれています。結構悩みますよね。今すぐ買うべきなのか、下がるのを待つべきなのか。実際のところ私がこんな買い方がいいのでは?と思っていたことがそのまま書かれていて、自分は間違ってなかった!という自信にも繋がり嬉しかったです。
目標株価の決め方や利確・損切りのタイミングが知れたのも大きな収穫でした。保有している株が上がった際にいつ売ればいいのか分からず、いつも薄利を積み重ねてきたので…、利確タイミングに悩む人に読んでほしい箇所です。
最後に、実際にかぶカブキさんが掴んだ大化け株や、成長した株が20銘柄以上も著者の分析方法と併せて紹介されており勉強になりました。紹介された銘柄が最近(2020年以降)のものばかりなのがいいですね。名書と呼ばれる本では1980年代とかの銘柄ばかりなのでその時の情勢がイメージしづらいです…。
様々な便利ツール・サイトが活用されていた
かぶカブキ氏の投資手法で、マネックス証券の専用ツールである『銘柄スカウター』が頻繫に使われていました。日本株・米国・中国株の3か月毎の業績が比較できたり、過去のPERやPBRなどが細かく調べられる無料の便利ツールなので、手法を真似たい方は、事前に口座を開設しておくといいでしょう。10年スクリーニングという機能が便利すぎて毎日使ってます。
他にも、ビッグチェンジ銘柄を探すのにSBI証券や四季報オンラインが提供している情報を活用していました。自分の知らない使い方を知れて勉強になりました。(SBI証券の情報は株探にも掲載されている情報だったので、慌てて開設する必要はありません)
本書をおすすめする人
本書は、PER や 時価総額の言葉を知らなくても、分かりやすく解説されているので、なんとなく聞いたことがあれば誰でも読めます。(損切り、証券会社 程度の意味は知っておきましょう)
完全初心者でも、いつかは絶対役立つ内容ばかりなので、持っていて損になることはないと思います。
自分は初級者レベルなので、ベテランの方が読んで満足のいく内容かは分かりませんが、自分以外の株で成功している方の手法を知れる点ではおすすめできると思います。感想は以上です。
読んでいると自分でも儲けられそう!早く株したい!と気持ちが高ぶってきますが、端々で気持ちを落ち着かせてくれる言葉・アドバイスをくれるので、繰り返し読みたい書籍でした。
特典:【株価の急落時に「買い・売り・様子見」を判断する3つの基準】
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A4 4ページ分の長さで具体的に分かりやすく書かれているので、興味があれば紙書籍がおすすめです。
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